ワインに適した土壌と豊富な固有品種をもつスペインワイン

[本記事にはプロモーションが含まれている場合があります]

改革目覚しい世界第3位のワイン王国

スペインは、全土で葡萄栽培が可能な良好な気候条件にあり、栽培面積は世界1位、生産量はイタリア、フランス次いで世界3位。

スペインに葡萄の栽培をもたらしたのは古代ギリシャ人やフェニキア人で、紀元前5世紀までにはスペイン東部にかなり広まっていた。

歴史的な紆余曲折を経て1986年にEC(現EU)に加盟し、この頃から国外にも目を向け、良質なワイン生産に取り組んでいる。

近年のスペインワインの変革は目覚しく、今や若い世代による新しいワインが続出し、世界の注目を集めている。

スペインと言えば、シェリーを思い浮かべることが多いが、実はスペインの国内生産量のうち、シェリーが占める割合は7%にすぎない。

大部分は、スティルワイン、カヴァと呼ばれるスパークリングワインが生産されている。

特に、スペイン・リオハで造られた高級赤ワインは人気が高まっている。

リオハは、フランス・ボルドーのワイン技術が入った地域で、近年までスペインで唯一の最高格付け(DOC)を受けているワイン産地でした。

※シェリーとスティルワイン

製法上の分類からいくとワインには4種類がある。一般的にワインと呼んでいるものは、スティルワインと言い、何も手を加えたり加工されていないもの。スティルワインに炭酸ガスを含ませて発泡させたものがスパークリングワイン。ブランデーなどを加えて、アルコール度数を高めたり、保存性を良くする事でフォーティファイド・ワイン(酒精強化ワイン)となる。スペインのシェリーは、このフォーティファイド・ワインにあたる。
最後に果汁や香草などで香りづけしたワインをフレーバードワインと言う。

スペインワインの区分

国内法では、2003年からワインを6つに区分している

Vino de Mesa(ヴィノ・デ・メサ)
いわゆるテーブルワイン。
原産地認定地域以外のワインや、異なる地域のワインをブレンドしたもの

Vino de la Tierra(ヴィノ・デ・ラ・ティエラ)
“土地のワイン”の意味で、フランスのフランスのヴァン・ド・ペイやイタリアのIGTの相当

VCIG(ヴィノス・デ・カリダ・コン・インディカシオン・ヘオグラフィカ)
地域名付き高級ワインの意味。
ある特定の地区で造られ、その地区特性が表現されているワイン

DO(デノミナシオン・デ・オリヘン)
原産地呼称ワイン。
法定原産地において、地域内で栽培された許可品種の葡萄を原料にし、基準を守って生産されたワイン

DOC (デノミナシオン・デ・オリヘン・カリフィカーダ)
特選原産地呼称ワイン。
DO産地の中から、厳しい基準で昇格が認められた高品質ワイン産地のワイン。現在はリオハとプリオラートなど。

VP(デノミナシオン・デ・オリヘン・ヴィノ・デ・パゴ)
単一葡萄畑限定高級ワイン。
ある特定の村落で他とは際立った違いのあるテロワールを有する畑から生産される個性的な高品質ワイン。
葡萄畑は、DO・DOCに認定されていない地域に属しても良い。

スペインの主要なワイン産地

リオハ
最高格付けDOCをもつワイン産地。テンプラニーリョという独自のぶどう品種から、品質の高い赤ワインを生産。
リオハ・アルタ、リオハ・アラベサ、リオハ・バハの3つの地区に分かれている。


リベラ・デル・ドゥエロ
「スペインのロマネ・コンティ」と呼ばれる「ウニコ」を生産する。
カベルネ・ソーヴィニヨンからワインを造っている。
ウニコとはスペインで最も知名度が高く、口にする機会の少ないワイン。
果実味が豊富で、香りの広がりは他のワインでは味わえないくらいに芳醇。
リベラ・デル・ドゥエロは、降雨量が比較的多いのでブドウの酸味が損なわれずに成熟が進む。
口の中に含むと完熟したフルーツのアロマが広がり、複雑で長い余韻が残る。

ペネデス
スペインのスパークリングワイン「カヴァ」の多くがカタルーニャ地方、ペネデスで生産されている。
シャンパンと同じ方式で生産されていて、DOに格付けされている。
スペインのカヴァは、価格がお手頃で品質が高いため、人気が高い。